一日につき千文字くらい

一日につき千文字くらい

『走る』#9

深夜、街中を走るスピードが上がっていく。呼吸は荒くなり視界に捉える風景は前方進む路面に絞られる。少し傾いた道路の勾配と固いアスファルトから受ける膝への衝撃をもって、地面と一緒に疾走している感覚、ゾーンに入る。

これまで、夜中にランニングをする具体的で内発的なも理由って考えたことなかったんで、走ってる時の心地を思い出しながら少し考えてみた。外因としては、平日に日中から遅くまで仕事していたら走る時間は自ずと朝か夜かに絞られて、朝弱い私は消去法的に夜に走ることになる。元々、走るのは好きだったし、働いてしばらくしてからデスクワークによるものか背筋の弱まりを感じた時があって、仕事終って帰ってから時々走るようになった。ナイキのiPhoneアプリを使ってて、見返してみると月数回で定期的に走るようになったのは2016年5月のこと。1年ちょい前。記録を付けたいのと、ペースを把握したかったのがアプリを使い始めたきっかけ。

中学の部活が陸上部で主に3000mの長距離を走るようになって、ペースの上下で長く走ることを知ったのがこの頃。ただ走れるだけ速くずっと走り続けたんじゃ、少しずつ足が回らなくなっていってゴールにたどり着く前にはガス欠で動けなくなる。そんな当たり前のことだけど、自分がある距離を走れる最大限のペースを保つ(そして時々スパートをかける)ことで、距離を早く走るという(表現がうまいかは怪しい)考え方になった。

いまのところ10km走ることはなくて、コースは、2.6kmの周回(基本的には2、3周)、6.7km、8.6kmの3パターン。これまでだいたい真ん中の6.7kmを走っている。アップとダウンとストレッチで15+15分、ランが30分、合計だいたい1時間で終わるっていうのが決め手。なるべく、息も上がって集中できるペースでってことで4'20~30"/kmで速めに走る。ちなみに家から駅まで徒歩15分ちょいの道のりを、だいたい10分弱で乗れるペースが先のもの。出発がちょっと遅れて急ぐ時のペース。

そもそも、そもそも長いランニングが好きになったきっかけは小学6年の時に遡る。たぶん6年。川崎市の小学校選抜対抗の陸上競技大会に向けて、長距離は1000m、希望者で練習するときのコーチは校長先生だった。快活なひとで、毎年河口湖のマラソンを走っているらしく(年賀状で毎年加算される回数は40を超えて50に近づいてきた)、強烈に驚いたのは小学校まで2時間走って通勤しているという話。その話を聞いた当時より、年増しに凄さが強まってくる。自分が走るのも子どもらが走るのも楽しそうで、いつでもニコニコとしていた。体育館での朝礼や行事でのお話もなんか、ちゃんと聞けて(話は覚えてないんだけど)楽しかった記憶がくっきり。結局大会の選手には選ばれなかったわけだけど、あのとき練習してたメンバーがごっそり、中学で陸上部に入ったっていうのも校長先生の影響があったはず。

「楽しく走る」姿勢と、「走るのが楽しい」心持ちが合わさっている。もっと長く、走れよう。

 

#走る #171224